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錆び付いた階段をゆっくりと降りて行くと、その下も上と同じような広い空間だった。
しかし左右と正面にドアがあり右と正面は扉が開いており中が見えた。
正面は台所らしく調理器具などが乱雑に置かれている。
右の扉を少し覗けばそこは人間達が寝起きしている空間らしく布団やら脱ぎ散らかった服が床に散らばっていた。
「…臭ぇ」
ブルーノが鼻を押さえている。お世辞にも綺麗とは言えないため、人間の体臭でもするのだろう。掃除をするような人間はいなかったらしい。
ブルーノの為に扉を閉めてやる。ブルーノは手を放して新鮮な空気を吸っている。
人狼族の嗅覚の良さは頼りにはなるがたまに可哀想に思う時がある。特にこんな時。
残り1つの左側の扉。そっとドアノブを回せば鍵がかかっていた。
ブルーノと顔を見合わせる。重要な物でもあるのか、それとも…誰かいるか。
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