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13時。私達はテディス総合病院の一室にいた。
個室のそこにいたのは、ヘスティアさん、ヤン警部補、そしてベッドの上に昨日助けた少女。
病院服を着ているが昨日より顔色がよく、見えていた傷等も治療されたか全部消えていた。
説明をするという医者を待っているのだが、正直落ち着かない。ブルーノは病院特有の匂いが気になるのか、鼻をひくひくと動かしていて人間の姿でそれをしているものだから違和感がある。
「お待たせしました」
ドアを開いて白衣の女性が入ってくる。
室内の瞳が、全員彼女を見る。白衣を着ていると言う事から彼女が説明をすると言う医者だろう。
私達に一礼すると、医者特有の丁寧な口調で話始めた。
「担当のフラムと申します。皆様お集まりいただきありがとうございます」
「問題がある。と言われましたが」
「はい。問題…といいますか、今後の対応を話し合って頂きたく、集まってもらったのです」
言うと、フラムと名乗ったら女医は手元のカルテらしき書類をパラパラと開く。
「結論から言いますと、昨日こちらに搬送されてきましたこの女の子ですが……検査の結果、人間ではない事が判明しました」
『…は?』
私とブルーノの声は綺麗に重なった。
振り返ってベッド上の少女を見る。少女が驚いた表情を浮かべてこちらを見つめ返してくる。
…この子が、人間じゃない?
「正確にはホムンクルス…子供型の人造人間と判明いたしました」
それを聞いて、私はやっと理解した。
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