219人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
エメが隠れるのを横目で確認した時、
ゴウッ!!
蔓達が一瞬で炎に包まれ、燃え上がっていく。なんだ!?
驚く私に炎の間から一条の雷が伸び、私の体を走り回る。
「ッ!!」
体を走る電流に声を上げる事が出来ない。
「レト!」
耐えきれずその場にしゃがみこむ。炎の向こうから男が姿を表した。
両手に銃が握られていた。
銀の弾丸を撃った右手の銃とは別に左手の銃には赤、緑、紫の魔法石が輝いている。
魔法銃と呼ばれるものだと、私は気づいた。
魔力が無い人間が魔法を使うために考案したものだ。魔法石を媒介に魔法を弾丸として放つ事ができる。
この男が屋根まで簡単に上がれたのも、魔法石の一つに風の魔法でも仕込んでいてそれを使ったのだろう。
銀の弾丸に魔法銃。明らかに私達を殺しにかかっている。
「…最悪…」
痺れる舌で呟く。
最初のコメントを投稿しよう!