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「今日の晩御飯なに?ママ~」ぐらい軽い気持ちで言っていた。
そして姫野は何を血迷ったのか、彩世に抱き付いてきた。
いつもの事だから気にせずズルズルと引きずりながら歩く。
……いつもの事だからパターンが決まっている。
「彩世~、んー…」
「わわっ、コラコラそう言うのは可愛い子か俺以外の平凡にしろとあれほど…」
姫野が顔を近付けてきたから手で阻止した。
姫野はかなりのキス魔だ。
知らなかった時に姫野に仕掛けられて一度頬にされてから毎回他の奴にしてくれと説教するが彩世以外には全くしない。
反抗期か?反抗期なのか!?
唇を塞がれたからムッとした姫野がペロッと舐めてきた。
「ひっ!!何すんだよ!姫ちゃん止めっ…」
「彩世がキス許すなら…」
まだ諦めてないのかよ!?
彩世と姫野が取っ組み合いをしてると鉄拳が降ってきた。
俺達は同時に頭を抱えた。
「いっ、つつ!!」
「……」
「もう少し風紀委員の自覚を持とうな」
爽やかな優亜がこれほどまでに恐ろしいと感じた日はなかった。
全てにおいて平均をキープしてる彩世は必死に勉強して、いつしかオタクーマン(顔がオタクっぽい、でも生徒全体の恋のキューピッドだからヒーローっぽい)というあだ名が一部で呼ばれるようになった。
まぁそれはどうでもいいとして、昼は何を食おうか考えていた。
すると机をトントンと叩く可愛らしい手があった。
「彩世くん食堂行こ?」
「おぉ~我がマイエンジェル萌たんではないか!!」
「……相変わらずの頭だね」
今の天使の発言は幻聴だと思っとく。
学園のプリンセスと呼ばれる可愛らしい容姿の天然癒し系、白鳥萌間が彩世に笑いかけていた。
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