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萌間は同じクラスではない、というか三年の先輩だったりする。
何故三年がわざわざ一年の彩世に会いに来るかというと…ぶっちゃけ萌間にまともな友人がいないからだ。
彩世も十分変態だが、萌間的にはマシなんだそうだ。
萌間の周りにいる男共は萌間を邪な目で見てるから嫌だそうだ。
しかも萌間はダンディー理事長の息子だから媚び売る奴もいる(彩世は王道ヒャッホーイしていた)
だから寮で同室だった彩世と仲良くなり、こうして昼と放課後は共にいる。
萌間を連れて購買に向かう(萌間は人混みが気になるから、彩世は王道展開になんないから食堂には行かない)
「でさー、今日サボってないのにみずっちゃんに反省文書かされてさー」
「水谷くんにしては優しい方だと思うよ、彩世くんが入学してくる前の風紀委員の子なんて鉄バットで…」
「え?ケツにバット?」
「誰も言ってないよ!?」
パンを口いっぱい頬張りながら空き教室で昼飯を食べていた。
…あー、誰かいちゃこらしてくんないかなー…っと思いながら…
そして放課後がやって来た。
今日もいつも通りの1日だった。
萌間と寮と自宅の分かれ道で別れて家路に向かう。
秋は今日大学の友人の家に泊まるらしくメールがあった(五分おきにメールすると言ってたから全力で阻止した)
確か明日の朝一で母と木子は一週間ほど実家に帰り、祖父祖母の様子を見に行くらしい(母は一家唯一の女の子である木子を溺愛してるから無理矢理連れていくんだろう)
そこで彩世は今朝の出来事を思い出した。
……そういえばあの男の声はいったいなんだったのだろうか。
「木子ぉぉぉ!!!!!!!」
「ウザい兄貴、人の名前外で叫ばないでよ恥ずかしい」
マッハで家のドアを開けてリビングに駆け込むと木子はこちらを見ず片手におやつのポテトを持ち、もう片方はスマホを弄っていた。
ちょっとくらい、チラ見でもしてくれないと隅で泣いた。
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