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あれ?昨日消したはず…
恐る恐る画面をタッチする。
すると何かのゲーム(?)のタイトル画面が現れた。
タイトルは「LOVECALL-ME」…
……なんか見覚えがあるなー…
そうだ、昨日木子が…
あれれ?このタイトル画面の一番目立つ位置にいるキラキラした騎士のような服を着てるの……なんか似てる。
しかも同じ服を着てる。
「お前!コスプレイヤーか!!実物は初めて見た!」
「…?」
美形さんはよく分からない顔をして首を傾げた。
くそっ、そんな顔したって可愛くないんだからな!!
こんな奴を家に入れる奴なんて木子しかいない!!
俺は慌てて木子を問いただすために部屋を出た。
「木子っ!!話があるんだけど!!!」
ノックをそこそこに隣の部屋を開けた。
しかし部屋には誰もいなかった。
いつもは寝てる時間なのにと考えて思い出した。
そうだ、一週間母さんと出掛けてるんだった!!
スマホを取り出し電話をしようとして絶望した。
……そういえば木子、俺の電話はおろかメールでさえも開ける前に消去する悪い病気持ちだった(木子本人がそう言ってたから俺は信じる!)
「…大丈夫?」
「コスプレイヤーさんは直ちにお帰り下さい」
俺の部屋から出てきた美形さんにそう言い部屋に戻ろうとしたが、ガシッと腕を掴まれた。
俺がなにか言う前に引き寄せられてボフッと抱きしめられた。
美形さんは着痩せするタイプなんだな、意外と胸元がたくましいです。
「なっ、ななな…」
「俺の帰る場所は彩世の傍だけだよ、俺を捨てないで…」
ぐっ、幻想で垂れ耳が見える…眼科に行った方がいいかな。
…それもキャラクターのセリフか?完璧な演技だな、さすがコスプレイヤーさんだ。
「はははっ、もうなりきりはいいって…本当の事言えって」
「成瀬雛海、16歳…彩世を守るためにやって来た…」
「へぇ~成瀬くんね…ん?」
はて……それも何処かで聞いたような…
手元にあるスマホ画面を見た。
そこにはキャラクタープロフィールがあり「成瀬雛海、16歳…剣の達人・貴女を守る騎士」だと書いてあった。
「やっぱりこれも設定か!!」
「…っ!?」
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