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周りから見たらただの変態にしか見えないだろう。
訓練された技で物音一つ立てず覗き見る。
「はぁはぁ、不良×チワワはぁはぁはぁ…」
「人の保健室の横ではぁはぁ言ってんな馬鹿者」
第三者の声に気付いたのは彩世ではなく空き教室でランデブーしていた生徒達だった。
彩世は目の前の趣味に夢中だったから気付いていない。
少し開いてたドアの隙間から血走った目が覗いてるのを見て生徒達は恐怖に怯えて泣きながら空き教室を出ていった。
まさか不良くんも泣き出すとは思わず小さく「…萌え」と言ったらパコッと手に持って本で頭を叩かれた。
そこでやっと気付きドアから離れて邪魔した相手を恨めしそうに見る。
「…邪魔しないでいただけますかな?縁ちゃ…」
最後まで言う前に彩世は宙に飛んだ(正確には背負い投げされた)
ぐふっと小さく呻き地面に頬を付けた……あ、気持ちい…
「おいそこの発情期サル、何度言われればテメェのクソ脳は学習するんだ?あぁ!?」
「いっ、いだだだ…分かった分かった月白先生!!変なとこがブリッジしてるから止めてぇぇぇ!!!!」
月白縁先生は満足そうな顔をして離した。
彩世は生死をさ迷ったからか涙目だ。
月白先生は見た目は冷酷そうな顔だが、名前が女の子みたいに可愛いからついつい皆からかいたくなってしまう。
しかしこの通り月白先生は「ちゃん付け」を酷く嫌う。
そこも萌え~っと思っていて、ホスト教師にだけちゃん付け許しちゃえ!!と勝手に思っとく。
身体が正常に動くかストレッチをしていた。
「俺の楽しみを奪わないでよ~…せっかく後少しでにゃんにゃんにゃん」
「生徒を守るのが教師の勤めだからな」
「……あのぉー、俺も一応生徒なんですが…」
「あ、間違えた…変質者から生徒を守るんだ…よって変質者のお前は論外だ」
月白先生に言われ、ぷくーっと頬を膨らませたら鼻で笑われた(自分でもキモいと思ってるが、ツッコミくらいしてよ!)
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