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「詩音たん、いたんでふか?」
「…今日は事務仕事だからね」
驚きすぎて噛んでしまったが、ドライな詩音は気にしてなかった。
詩音は無自覚で誰でも落とす事が出来る人間キラーと呼ばれている。
男子校にいるから男も手玉にとっていて、たまに知らない男の子が後ろから着いてきてたりする。
彩世としては大変目に潤いを与える存在だが、詩音本人はどうして着いてきてるのか謎だったりする。
誰かー!!この鈍感イケメンを目覚めさせてくれる殿方はおらんかー!!と叫ばずにはいられなかった(しかし実際は言わない)
彩世は風紀委員室の隅にある「柊彩世」と掛かれたロッカーを開ける。
「姫ちゃんはー?」
「…さっき狩りに行くってスキップしてた」
「狩り!?」
腕章を引っ張り出し詩音の言葉に驚いた。
この前校内でタバコ吸ってた相手をボコボコにして病院送りにしたばっかなのに…
彩世は腕章を付けて風紀委員室を出た。
最後に詩音はひらひらと手を振っていた。
姫ちゃんこと姫野都が居そうな校舎裏に向かう。
そして確信する。
「ひぃぃ!!姫野さんやめ…ぐっ」
「あぁ!?誰に口答えしてんだ?不純な奴は身体で覚えさせねぇと分かんねーんだろうが!!!!」
姫野都を名前通り可愛い子だと思った方は大変すみません。
鬼です……顔面が醜く腫れて逃げる生徒を足蹴りしてる彼は間違いなく鬼です。
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