子供

3/3
前へ
/3ページ
次へ
どうやらここは元々ホテルかマンションだったところのようだ。 穴を覗くと外の風景が目に映る。 外もここと同じように廃墟だらけで、しっかりとした建物なんて1つも無かった。 まるで戦争の後の光景だ。 しかし、これらを見てここがどこかの街だということが分かった。 俺は特に気にもせず、廊下だったであろう瓦礫だらけの通路を歩いた。 すると階段を発見、このままここにいては埒が開かないので下まで降りることに。 ここには、いや、この世界には俺しかいないのだろうか? 他に生き物の気配を感じないし、今も風が空洞を走る音と俺の足音が虚しく響きわたるだけだ。 「さて、どうしたものか」 1階まで降りてホテル(仮)から出てはみたものの、こんな状況、何から手をつければいいのやら。 何をすべきかわからないことと、落ち着きすぎている自分に思わずため息が出た。 とはいえこのままじっとしているのは尚更よくない、まずはこの廃墟と化した街を探索してみよう。 道は左右と真っ直ぐの3つに別れている。 「ん~……よし、右から行こう」 右側にはホテル(仮)よりも高い建物が見受けられる、まずはそこからもう一度街全体を見てみるとしよう。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加