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「そういえば烏丸さん、さっき言ってたことですけど」
特にやることもなかったが仕方がないので陶器や茶道具が置かれている棚やガラスを拭きながら、椿はそこに置かれている品々を眺めていた。
「あぁ、シシャモが嫌なら沢庵でも――」
「いやもう私のお給料の話はいいんです。ていうかどっちも嫌です」
というかいつの間にか自分の給料がシシャモになる方向に進んでいた。労働基準法もあったものではない。
「ここに置かれてるのはやっぱり・・・その、魂がある物っていうことなんですかね」
椿は烏丸がつい先ほど来ていた大柄な婦人に語っていたことを思い出す。
「全てを一概に言うことはできないが、まぁそういうことになる」
烏丸は懐から煙管を取り出すとそのまま口へ咥えた。
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