黄昏の猫

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――幽霊に出会った。 すっかり日も暮れた夜の公園で月明かりに照らされた彼女を見たとき、私の頭の上に浮かんだのはそんな単調な一文。驚愕や恐怖ではなく、ただそんな言葉が自分の脳裏に浮かんだのは何故なのかは、私自身にもわからない。 もしかすると、目の前にいた少女があまりにも可憐で、儚げで、今にも消えてしまいそうに見えたからかもしれない。
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