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こんな人通りも活気もない場所で骨董屋などがやっていけるのだろうかとかつての椿も危惧していたが案の定というか店は毎日開店休業状態だった。 ここでアルバイトを始めて数ヶ月になろうとしている椿もこの店が繁盛している姿はかつての一度も見ていない。 やはり、今日日こんな町外れにある骨董屋にまで足を運んで古びた壷や掛け軸を買っていくような酔狂な輩はそう居ないというのが主だった理由だろう。 椿は一度店の前で足を止め、『冷やかしお断り』と掲げられている古びたトタン板を見つめた。
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