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烏丸骨董店の古めかしい敷居を跨ぐと間髪いれずに椿の耳へと飛び込んで来たのは甲高い金切り声。
「ちょっとォ?この壷はねぇ、家の先祖代々から伝わるそれはそれは価値のある陶器なのよ!それを買い取れないどころかゴミですって!?」
次に椿の目へと飛び込んできたのは派手な婦人服に身を包んだ、大柄な中年女性とこれまた派手な羽織を纏った骨董屋の店主、烏丸右京だった。
話の詳細まではつかめなかったが、どうやら今カウンターテーブルに置かれている白茶けた壷の価値について絶賛揉めている最中らしい。
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