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「ですからあなたがどう鳴き喚こうがこの店で物の価値を決めるのは俺なのです。ここでは俺がゴミといえばゴミ。宝といえば宝になる」
「本来ならこんな粗大ゴミを見せられた鑑定料の一つや二つ欲しいところです」と言いながら椅子へと腰掛けていた烏丸は更に深く座り込み、興味もないといった様子で天井を見上げた。
一方で中年の女は言われ放題のこの状況に激昂を通り越しその顔面は青白くなり始めている。
「そ、そう・・・じゃあ聞くけどこれ・・・あんたこの壷の価値がないってどうして言えるわけ・・・?もしかして理由もなく言いがかりつけてるだけなんじゃないの?」
青白くなった女の顔は気づけば血管が浮き出てぴくぴくと震え始めていた。
これ以上刺激すると店の中で破壊活動でも始めそうなその様子を見た椿は、この件を早く穏便に済ませて欲しいと一人手のひらをすり合わせるばかりであった。
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