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「魂がない」 「・・・は?」 呆気にとられたといった様子で女は目を丸くした。 「は、ではありませんよ。あんたが説明しろというからそうしてやってるんだ、一度で聞きとるのが礼儀というものでしょう」 そこで烏丸は音がする程に勢いよく椅子から立ち上がり女への間を詰める。その鋭くなった眼光は彼女を捉えて放さない。 「あんたはさっきから焼き方がどうのだとか陶器の質だとかフゴフゴと吠えるばかりだ。まったく喧しい。豚かあんたは。この豚め。この家畜以下が」 ずいぶんな言い様だった。
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