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――ガチャ 自分の部屋に入った私は、ベッドに腰掛ける。 ふと、思う。 『私はこんなに幸せでいいのだろうか』 「お兄ちゃん……」 私の一番の理解者だった。 いつだって私の側にいてくれた。 大好きだった。   ううん、過去形なんかじゃない―― 今でも大好きだ。 『絶対帰ってくるから待ってろ』 なんて言葉には確証なんてなかった。   けど―― 『離ればなれになってもいつか会える』 『帰ってきてくれる』 心の奥底で、ずっと……ずっと思ってた。 「帰ってきて、くれるの?早く……」   今、すぐに―― 「……会いたい、よぉ」 言葉に出してしまうと、認めてしまうような気がして…… 認めてしまうと、会いたい気持ちを我慢出来なくなってしまうから……
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