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――――――― ――――― 「ふぁ……」 朝だ。 「お母さんおはよう!」 「おはよう、杏奈」 いつも通りに準備をして家を出る。 いつも通りに学校に着く。 ……いつも通りに下駄箱を開けると、   あれ?―― 「……ない」 いつも入っていた手紙がなかった。 最も、口には出したくないような内容ばかりが書かれていて、手紙と言えるようなものではないけど…… 「……終わった、のかな?」   イジメ―― 「あれ?杏奈じゃん!おはよー」 「ま、真由ちゃん!」 「今日は早いね」 「そう、ですか?えと……おはようございます」 後ろめたいことがある時、無意識のうちに敬語が出てしまうのを私は知らなかった。 それに……嘘をついていることがバレていないと、バレるはずがないと、根拠もないのにそう思っていた。
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