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「血の臭い?」
「うん!
スッゴいねココ!
あちこちから血の臭いがす」
海里の言葉が止まった。
喉元に突き出された刀によって。
「テメェ…何者だ」
「だから、海里は海里だよ?」
「そうゆうこと言ってんじゃねぇよ!」
じゃあ、何を言ってるの?
訳が分からないというふうに唇を尖らせて拗ねる海里。
山崎は土方の刀を引かせるために説得をしていた。
説得をしながら思ったのは、後少し動かせば刀が首に当たり血が出ると言うのに、女は恐怖に顔を歪める出なく拗ねている。
山崎の中で警戒心が膨れ上がった。
なんとか、刀を退かすことに成功した山崎は海里の前に座った。
「あんな?なんで血の臭いが分かったん?
嗅ぎ慣れとるんか?」
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