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彼、山崎 丞は文久3年に新撰組へ入隊し、元治元年に諸士調役兼監察への配属が決まった。
彼は実に優秀だ。
生家は医家であり、彼もまたそこで医学の勉強をしていた。
それだけではなく、香取流の棒術にすぐれていた。
そんな彼は新撰組になくてはならない存在だった。
情報収集能力にも長けており、潜入捜査もお手のもの。
土方からの信頼が厚い彼は、今日もまた、土方の命で動いていた。
ースー…
自室に戻ると黒装束を脱ぎ寝間着に着替える。
疲れた体を引きずるようにし、山崎は一日を終えようと瞼を閉じた。
****
「ん…」
外から聞こえる鳥のさえずりで、今日も目を覚ました。
少々肌寒く、布団の中でモゾモゾとしていた。
「………」
何か、普通ではあり得ない感触が伝わってきた。
しかも間近から。
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