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顔から血の気が引き、冷や汗も出てきた。
…そんなはずあらへん。
そう頭で言い聞かせ恐る恐る布団を捲る。
「な、なんやこれええええ!!!!????」
なんやこれえーなんやこれえー……
山崎の叫びは朝早い屯所内に響いた。
「え、なんやなんやこれ!
なんでワイの部屋に女子がおるんや!」
いくら考えても答えなど出やしない。
なんたって山崎は何も悪くない。
いつも通り仕事を終えて、床についたのだ。
女子を連れ込むなんて、そんな素振りもない。
それに、土方に忠実な山崎が女人禁制の屯所に連れ込むなんて普通ならあり得ない。
「夢や夢や、これは夢や」
「ぅ~」
ブツブツと暗示をかけていると、横から呻く声が聞こえた。
バッと見ると眉間にシワを寄せながらモゾモゾしていた。
な、なんや起きたんやないんかい。
「ッ!!」
ホッとしたのも束の間。
足に圧力がかかり、下を見るとよこで寝ている女子が山崎の足を抱き枕にしていた。
離さないと言わんばかりにギューっと抱き締めるものだから、あれが……
あれが当たっているのですよ。
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