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青筋を立てながら女子の耳元で叫んだ。
耳を塞いでいる山崎でさえ眉間にシワを寄せるほどの声だ。
これは驚いて起きると普通は思う。
確かに女は起きた。
「黙れカス」
怒気を含んだ声で呟いてから、また瞼を閉じた。
しかもさっきより、山崎に密着して。
「…………」
「…………」
まさかの事態に、場の空気が固まった。
ヤバイヤバイヤバイ!
頭の中がパニック状態の山崎は、土方の怒りが爆発する前に急いで女子を起こすことにした。
「じょ、嬢ちゃん。
もうすぐ朝御飯さかい、早よ起きなあかんよ?」
「むー…私のご飯……起きるぅ…ねむ」
優しく諭すように言うとアッサリと起きてくれた。
二人は驚いたが、さすが山崎。
表情は崩れていない。
ショボショボと目を擦ると、女子と目が合い見つめ会う形になった。
「貴方…だぁれ?」
首をコテンと傾けて山崎を見上げた。
大きなクリクリの目。
白い肌。
ふっくらとした唇。
肉のつく場所にはしっかりとある細い身体。
全てが男を欲情させた。
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