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たが、相手は山崎と土方。
内心はドキリとしたが、平常心を保った。
土方にいたっては、目を鋭く吊り上げ睨み付けた。
「テメェにはまず、こっちの質問にこたえてもらう。
お前は誰だ」
普通の町娘なら怯む目力。
土方の目には、新撰組の隊士ですら怯えるだろう。
それに加え、地を這うような低い声を出す。
そんなに凄んでは答えられないだろうと山崎は思った。
「私?私は海里ーカイリーだよ」
そこには信じれない光景があった。
あの土方に怯えず、尚且つ満面の笑みを浮かべながら自身の名を答える海里に、山崎ですら驚きの表情を隠せなかった。
土方も一瞬呆けたが、咳払いをしてから尋問を続けた。
「お前はどこからきた」
「んー…江戸!」
「そうか。ではなぜ山崎の布団の中にいた」
「山崎?」
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