一章/絶望、希望

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一週間後、俺はあそこを退院し、学校に呼び出された。 大人は安否確認より先に、何故あんな事をしたかとか、学校が大変なことになってるだとか言ってきた。 つまり、俺より先に学校の信頼を優先してるわけか。 やはりあのとき、まっすぐに下に落ちるべきだった。 勢いをつけたから、下の大木が俺をかばったのだろう。 俺は…なんて無力なんだ。 なんて…この世は残酷なんだろうか。 もう一度、あの場所に行… 「だめぇぇ!!!」 頭をもやもやさせてると、急に俺の腕を誰かが引っ張った。 勢いがあまり、俺はソイツと廊下に倒れ込んだ。 「いっ…てぇ…」 「だっ駄目だよ!早まっちゃ!!」 ふぬけた声に顔を上げると、そこには見たことのある顔があった。 「あんた…たしか…」 「江橋、江橋修太郎。中学からの同級…じゃなくて!ちゃんと前見なきゃ!」 きょとんとしている俺を後目に修太郎はやけに慌てている。 さきほどの方向を見て、俺はやっと気がついた。 その先は階段で、古くいろんな所が欠けていた。 もしかしたら、俺はまたこの世界から消える可能性を失ったんじゃないか? そう思い、俺は修太郎を目の前にため息をついた。
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