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月弥は、床を数秒睨みつける。
ドンッ!!!
床がめり込む。手甲を伝う痛みが全身を疾駆(しっく)した。
ひしめく骨にムチを撃つように、月弥はムリくり態勢を起こす。
「月弥さん。まだからだが」
うるせェ!!―――おもわず怒鳴ってしまった。
『月弥ッ!』
おのれの足で、床を歩き、戸を出た。
包帯まみれの両手を見る。
護れきれなかった焦燥。
失うことへの恐怖。
アカムシとおのれに対する―――怒り。
負の連鎖が、月弥のココロを蝕み、
ついには―――
はげしく咆哮した。
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