第19話 【自殺の真相】

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    羅巌さんッ!!静季は叫んだ。 いきおいよく外に飛び出す北條。 アカムシと対峙すると、符に咒を唱え始める。 「このまえの封滅師。オメェの力、とくと見せてくれや」 『陰陽無極』 紫色の閃光が、火車めがけ飛んでゆく。 火車は涼しげな顔で、空中を薙ぐと、閃光が焼滅(しょうめつ)した。 空中に描かれた符の狐円(こえん)。 迅雷(じんらい)が、周囲の土をえぐる。 北條が腕を振り下ろすと、狐円の符撃(ふげき)がいっせいにとびかかる。 すると、アカムシのまわりを焔火の障壁が立ちふさがり、撃は一掃された。 焔火がおさまると、目の前に北條がいた。 「ッ!!」 北條の右手が、“焔”をまとっている。 「“紅蓮(ぐれん)”を召喚したか―――」 北條は禁術をも犯すほどの封滅師だ。紅蓮を召喚することなど造作もない。 振り降ろす赫刀(かくとう)。 しかし、たやすく止められた―――。 「なにッ!」 「その―――程度か、メガネ」 嗤笑(ししょう)―――――衝撃。 地上が振動する。 アカムシの右腕が―――北條の腹部を直撃していた。  
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