第19話 【自殺の真相】

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    アカムシは態勢を低くし、火天をかまえる。 全身の遠心力を使い、ブーメランのように投げた。 平行線上に勢いよく向かってくる火の車。 月弥は剣を振り降ろした。 ガガガガガガガッ!!! じりじりと霊剣と火天が齟齬しあい、火花を散らせた。 火天のいきおいは止まらない。 むしろ、回転スピードは増幅していった。 月弥は歯を喰いしばりながら必死に止まるの待った。 刹那、火天が火柱をあげ爆発した。 「うあッ」 月弥は霊剣とともに、工場の壁まで弾き飛ばされた。 『月弥さんッ!!!!』 かけよる静季。かろうじて意識はある。 いつのまにか、工場には三人倒れていた。 四角い闇から―――おおきな猫が鳴いている。 「冥轟(めいごう)ォォォ!!!」 ふと目を見開くと、目の前に焔輪(えんりん)が迫る。 ドドドドドドドドーーーーーーンッ!!!!!!! 激しい爆裂。工場は跡形もなく消え去った。 一面、焼野原である。 四角いコンクリートにたおれる4つの影。 北條。羅巌。月弥。―――そして静季。 アカムシは、静季を肩に担ぐと、夜闇のなかに溶けていった。 火焔の轍(わだち)が地面を刻む。  
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