第19話 【自殺の真相】

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    『今だっ!!』 水のウロコは、とどまることなく乱舞(らんぶ)する。 『大鋸水陣界(おがすいじんかい)』 “齧噛(かじかめ)”ッ!!! 無数のウロコの刃が、まわりながらアカムシに迫ってゆく。 刹那―――、水陣は爆発した。 水鱗じたいが、水爆だったのだ。 風来坊は一息つくと、 『御尽力感謝いたす』 と言って合掌(がっしょう)した。 ところが、 アカムシは立っていた。 ふつうならば、すでに粉微塵になっているはず。 「すこーし、効いた」 にたりと嗤い、拳を握ると風来坊へ向かってゆく。 風来坊も、負けじと向かっていった。 両者の属性が反発しあい、激しい爆発を生みだした。 大地は削られ、草木は消滅する。 『ぐあッ』 爆風によって吹き飛ばされたのは、風来坊だった。 放物線を描き、遠くの沼にざばんと落下した。 アカムシの肩には、ふたたび静季が担がれる。 「とんだ無駄骨だァ」 アカムシは眉根を寄せ、いずこかへと去って行った。  
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