第19話 【自殺の真相】

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          「ところで―――静季さんは?」 貞吉の問いかけに、月弥は瞠目した。 「え――――」 「あァ、イテ―」 つづいて北條と羅巌も目覚めた。 「治療してくれたのか、すまぬな」 「ありがとう」 羅巌の純粋な言葉に、貞吉はすこし照れた。 逃げたクセに―――と内心おもう与作。 「月弥、おまえも無事だったか」 となりの月弥に話しかける北條。 しかし、どうも様子がおかしい。 月弥のからだは、小刻みに震えている。 「どうした、月弥?」 わかんねェのかよ、と月弥はつぶやく。 瞳が、前髪に隠れた。 北條は目を見開く。 「まさか――――」 「静季が―――アカムシにさらわれた」 ―――ッ!! たしかに、ここには月弥と北條と羅巌の三人しかいない。 空気が硬直し、天井を飛び交う虫の羽音が響く。  
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