狼王

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話を聞くと、この国を不毛の大地に変えた後、王族と城の重役以外の者は他国へ逃がすつもりらしく、二人が向かう場所も同じ場所であり、また王族と重役の中で見込みのあるものも逃がすようだ。 その話を聞いた二人はどこの国かを尋ね、リウは隣国の国境の村だと答えた後、二人に問いかける、今から隣国送ろうか?それとも国が滅ぶその日に送ろうか?と、結局二人は国が滅ぶ日に送ってもらうことにした。 次第に木は減り、森は森と呼べない狭さまで収縮する、この時に数人は異変を感じていた。前は住処を終われた動物や魔物が出て来ていたのに、ここ最近は一向に姿を見せないのだ。 そうして、木が一本も無くなった頃、倒木の影から一頭の狼が姿を表す。突然のことに動きの止まる人々、それを見ながらリウは口を開いた。 「碌でもないことをしてくれる、森から生きる糧を得ている癖に、お前たちも薄々わかっていたのだろう?木を切り尽くせば碌なことにならないって」 それを聞いて、雇われた者と兵士達は反論出来ずに頭を垂れるが、一部の兵士達がリウに向かって駆け、剣を抜いて振り下ろす。
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