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~~in,学校(2-Cの教室→美術室→4階廊下)~~
美愛に別れを告げられてから1週間がたった。
学校の事なんかもう放置。
とりあえずは行っても、
授業は当然、友達の話も頭に入ってこず、
挙句、美愛が好きだと言ってくれた美術部の事だって、手につかない。
部長や顧問に心配され、どうしようもなくなった時、
部長が、"お悩み相談を受け付けている《図書委員長》"の話を教えてくれた。
なんでも、図書委員長兼読書部部長(たった二人の読書部員の一人)の人が、
この学校の生徒の悩みを聞いているんだとか。
オレは部長に後押しされ、早速図書室へ向かった。
~~in,図書室~~
「なるほど…美愛ちゃんが来ないのにはそういう訳が…」
図書委員長が美愛を心配するのもわかる。
何せ美愛は読書部だから。
本当に本が好きな文学美少女で、図書室で出会った時、オレは一目惚れしたんだ。
「オレ…何も手ぇつけれなくて…どうしたらいいか…」
泣きそうなのをこらえて相談するオレ。
「私が思うにはね、光里君。
美愛ちゃんは、別に貴方の事が嫌いになった訳ではないと思うの。」
急にそんな事を言い出す図書委員長。
「どうしてそんなこと言えるんですか…?」
「…別れを切り出されたのは1週間前の火曜日の放課後よね?」
「はい。」
「その前日美愛ちゃんは、本当に幸せそうに、
日曜日の貴方とのデートの感想を聞かせてくれたのよ。
なのに急に翌日になって嫌いになる訳がないわ。
あの子は、いつも不安になった時、必ず私に相談しに来てたの。
私もそれなりに情報屋として活躍してる訳だから、そういう噂はないかとか、
お友達に聞いたりとかしてあげてたの。
けど、そんなこと無かった。だからきっと大丈夫よ。」
すらすらと理由を述べてくれる図書委員長。
そういえばこの人は学校の情報屋としても有名だった…。
「で、でも…」
「それにね。」
オレの顔色から言いたい事を察したかのように、
オレの言おうとした言葉を遮って言葉を発した。
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