休日が必ずしも休めるとは限らない。

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「久しぶりのデパートです~!」 「久しぶりって前はいつ行ったんだよ」 「半年前ですかね……?」 「意外に離れてた!? そして瑠奈、腕に抱き着くの止めなさい動きづらいから」 「やだ……」 「なぜ即答だし」 今の状況、午前の十時で、デパートの前で一人はしゃいで、一人俺の腕に抱き着いている。誰かは言わなくても分かるだろう。 今日は土曜日、本来なら朝ご飯を食べてテレビを見てるか、ゲームしてる時間だ。 どうしてこんな事になったかと言うと…… 「……んぁ……? もう朝か……」 日の光が入り、その眩しさで目を覚まし、ケータイを開いて時間を見ると八時半。 いつもならこの時間に起きるのだが、昨日の疲れがあるから寝てもいいよね? そう思いながらまた寝ようとすると、何処からかシャッター音が聞こえてくる。 「おい待て、何で撮ってんねん」 「希少価値らしいので」 目を開けると、目の前にはカメラを構えている愛莉がいた。 愛莉は俺の質問に答えながらも写真を撮る。 「それはどうでもいいから答えながら撮るな」 「瑠奈ちゃんもちょっと前にシャッター音消して撮ってましたよ」 「俺の育て方が悪かったのかな……?」 そして瑠奈にも撮られていたという。 瑠奈の未来どうなるんだろ……大丈夫なのか? そう思っていると俺の部屋に瑠奈が入ってくる。 「あ、起きてた……」 「起きてた、じゃないでしょうが……んで、何か用があるんだろ?」 「ふぇ? 何の事ですか瑠奈ちゃん?」 大体起こしてくる場合は何処かに行きたい時。なのでもう慣れてる。 まあ起こしに来た愛莉は何を言ってるのか分からないと思うが。 「流石兄さん……デパート行きたい」 「唐突だなおい……まあ、愛莉の日常品とか買おうと思ってたから丁度いいけどさ」 「あ、別にいいですよ……」 「気にすんなって……って言っても俺は化粧品のことは分からんからそこは瑠奈に任せるわ」 「任せて……」 デパートねぇ……そういや最近行ってないな……。 愛莉は遠慮し過ぎなんだよなぁ……いや、住ませてもらっている立場だからっていう気持ちも分からなくもないけどさ。
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