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そもそも事の始まりは一週間前の“仕事”の事後報告の時だった。
「ああ、終わった。後始末は頼んだ。」
今日のゴミ掃除の報告を終え、
電話を切ろうとした時だった。
「では、次の仕事が入ったら連絡してくれ、じゃ―」
「あ、中尉、来週から高校に行ってください。」
「は―?」
思わず間抜けな声を出してしまった。
だがそれぐらい唐突な話だったのだ。
あの時、あの家を出てから
学校なんてモノには行ったことがない。
行ったとすればそれは仕事の時だけだ。
そもそも俺は感情が非常に乏しいらしい。
とはいえ、疑問というのは湧くものだ。
「行く必要性が分からない、どういうことだ?」
大体、学校というのは
コミュニケーションの輪を広げる為のモノだろう?
「リーゼスさんの命令だそうです。」
「…リーゼスの?」
リーゼス・アーティラス
彼は会社の上部に位置する人物だ。(詳しい役職は知らないが)
彼は数年前に会ってから良くしてくれた恩人と言ってもいい人だ。
だからこそわからない。
「ええ、詳しい事は何も聞いていませんが、そういうことみたいです。」
担当も詳しいことは聞いていないようだ。
「ん~、それは命令なのか?」
「はい、命令みたいですね。」
そもそも彼はあまり命令はしない人なのだ。
ますます気になるな。
「分かった。一応こっちでリーゼスに話を聞いてみる。」
それが手っ取り早いだろう。
「そうですか―」
その後、バージ伍長にほかの連絡事項を聞いた後電話を切った。
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