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孤のように疾走して斜面の頂上に着いたマウ(322)とサイガ(323)は、自分が空き地にいることに気づいた。
一瞬ためらった……が、すぐに頭がひとつ見えた―ゼロの頭が倒木の向こうからのぞいている。
無言のまま、二人はゼロのほうへ向かった。近づくにつれて、二人と同じ服装やパジャマを着た子供たちの頭が、まるで闇夜にふいに咲く風変わりな花のように、倒木や木の陰から次々にのぞきはじめた。
最後に姿を見せたのはラインだった。
再集結地点に到着したマウとサイガを見て、安心したようにニッコリ笑っている。
マンティコアでは、誰か一人の価値が他の者より高いということはないと繰り返し叩きこまれていた………
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