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手紙と聞いて、カスケンはあることに気づいた。それはさかのぼる事一週間前、国王宛に一通の手紙がやってきたことを、今はっきりと思い出したのだ。差出人の名前は、根津チュー太郎。それが彼ということか。
「少々お待ちください。ただいま国王に、確認のお電話をいたします」
カスケンはそういって城に戻ると、国王の携帯に電話を入れた。
二回のコールの後、国王が電話に出たので、カスケンは来客があったことを伝えた。
「来客? 今日は誰も来ないはずだが」
国王はそういうと、電話を切ってしまった。
カスケンそれを聞いて、たいそう慌てた。あの手紙を、国王は見ておられなかったことに。
はてさて、どうしたことか。カスケンが考えていると、突然、携帯に電話がかかった。電話の相手は国王で、これから戻るという事だ。
「わしに来客が来ておるのだったら、会わないわけにもいかぬ」
国王は一時間後に戻ることを彼に伝えてほしいといった後、電話を切った。
二
しばらくして、イステム四世が城に戻ってくるのが見えた。手には大きな荷物を抱えて。待たせたお詫びということだけど、本当の意味はわからない。
「して、来客は今、どこにいらっしゃる?」
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