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「えっと~、ご紹介いただきました、龍禅です。常務は随分買ってくれていますが、僕自身は社会人歴六年目でまだまだ未熟者です」
六年目って、わたしと一緒じゃない!
若く見えるだけでもしかして同い年?
さすがに新入社員と間違えたのは失礼だったと隠れるように身を縮めた。
「日本に戻ってきたのも十年ぶりですし、正直僕の方が教わることは多いと自覚しています。アイデアを出しやすい環境で仕事をすることが僕の目指すワークスタイルです。忌憚のない意見をどんどん聞かせてください。先ほど、僕を叱ってくれた美人さんのようにね」
引き合いに出されて閉口してしまう。
彼は満足そうに微笑んでみんなを見渡してから、最後にわたしを見据えた。
「よろしくね、柴美織さん」
「どうして……わたしの名前」
「営業のみんなの顔と名前は記憶してるよ。さ、さっそくミーティングを始めようか。二課のみんなはミーティングルームに集まってね~」
顔と名前をもう覚えているの?
っていうか、この軽いノリ、どうにかなんないの!?
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