第2話 いつも救ってくれる人

7/7
5201人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「でも、もう仕方がないし」  そう、どんなに足掻いたって、組織の決定は絶対だ。 「会社、辞めようかなっても思ったんだけど……」 「辞めちゃダメだ。負け逃げなんて悔しいだろ」  呉はどんっと拳で机を叩いた。 「うん、だから、もう少しだけがんばってみる。引き抜きで来たとかいうそいつを引きずり降ろしてやろうかな?」 「あぁ、それ、いいな。俺も協力してやるよ」 「うちの部署に来たことを後悔させてやる」  冗談とも本気ともつかない口調で、ふたりでくだらない作戦を立てては笑い飛ばしていく。  やっぱりこういう夜は同期と飲むに限るな、なんて改めて思った。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!