白い猫から続く道ー2

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 先行する猫が曲がり角を曲がった後に続き男も道を曲がる。  曲がり角を曲がった先に先導していたはずの白い猫はいなくなっていた。 「あれっ。何処に行った。」  周りには猫の姿は無く代わりに街灯の灯りの下に一人の女性が立っていた。  智弘はひとり言を聞かれたのではないかと思い咳を一つし、猫を探すのを諦め歩き出した。  智弘は恥ずかしさもあり出来るだけ早くこの場を去ろうと女性の方は向かずに横を通り過ぎようとした。 「あのっ。すいません。」  女性の横に差し掛かった時に隣から小さな声が聞こえた。  まさか、ひとり言を聞かれていたか、と思いながら振り返るとそこには制服を着た10代後半であろう少女がいた。  綺麗な長い黒髪が街灯の光に照らされ、幼さが少し残るが10人が見たら9人は美人だと答えるであろう容姿であった。同じ年頃で同じ学校にでも通っていたら迷わず告白でもしていただろう。 「俺ですか。」  急に話掛けられたことに戸惑いながら返事をした。」 「はいっ。すいません急に呼びとめて。」 「いや、大丈夫だけど何。迷子にでもなったか。」 「違います。一つお願いがあるんですが。」  見知らぬ女にお願いをされるようなことなど何もないはずだが、もしかして誰かに追われているから匿ってほしいとかかな。  最近見た漫画の内容を思い出しながら返事をした。 「まぁ、聞ける程度なら。」  街灯に照らされ続ける少女は何かを決心した表情になり口を開いた。 「私を買ってくれませんか。」
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