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廊下の照明を付け智弘は部屋の中へと入ろうとするが、少女は玄関で靴も脱がずに佇んでいた。
「入ってこないのか。」
「えっ、あっ、はい。」
急に声を掛けられたことに驚きいそいそと靴を脱ぎ部屋の中へと入ってきた。
男の一人暮らしの割には綺麗に片づけられた部屋の端にはベットが置かれていた。
少女が唾を呑んだ音が聞超えた気がした。
「ふっ、服を脱いだ方がいいですよねっ。」
小刻みに震えたまま制服のボタンを外しだした。
ボタンが外されたことで白い肌とピンク色のブラジャーが少し見え、唾を飲んでいた。
「ちょっと待て。」
思っていたよりも大きな声を出してしまったことにより少女の体がビクリと反応した。
「あっ、そうですよね。シャワーですよね。」
震える声で今にも泣きそうな表情で少女は言った。
智弘は思わず少女を抱きしめたくなったがその気持ちをグッと抑えた。
「違う。俺はお前を抱く気は無い。」
「えっ。」
少女の顔は驚きの表情を見せたがどこか安心をしたようだった。
「とりあえず飯が食いたいんだけど料理出来る?」
「はっ、はい。ある程度ならできると思います。」
予想もしていなかった質問に動揺したまま少女は答えた。
「この材料で適当に二人分作ってくれないか。キッチンの物は適当に使っていいから。」
「分かりました。」
差し出されたスーパーの袋を受け取りながらどうしたらいいのか分からないといった表情のままキッチンへと向かっていた。
キッチンに向かう少女を目で見送った後、智弘はスーツから部屋着に着替えソファーに腰掛けテレビを見出した。
バラエティー番組を見ながら待つこと数分、少女がキッチンから皿を持って現れた、
「出来ました。生姜焼きです。」
どうやら数ある食材の中から俺の食べたかったものを汲み取ってくれたようだ。
「ありがとう。とりあえず一緒に食うか。」
「分かりました。」
バラエティー番組が流れる中、見知らぬ二人はテーブルを囲んだ。
無言のまま食事が続いた。
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