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放課後。 少年は少女にノートを見せて、このノートが偽物である事を説明した。
「一応書き込んだが何も起こらなかった。 偽物だろ。」
「やっぱりアナタがやりたかったんじゃないですかぁ。」
「アホ。 確かめただけだ、すぐ消すわ。」
少年は自分の書いた文を消しゴムで擦った。 しかし。
「………消えねえ。」
「? 油か何か垂らしました?」
「持ち主が頬擦りしてたのかもな。」
1つ舌打ちをして、消しゴムを机にこすりつける。
「何はともあれ、これで持ち主には返せませんね。」
嬉しそうに、少女はほざいた。 いつの間にか手にしたシャーペンで、ぐりぐりと絵を描いていく。
「何描いてんだ。」
「魔法のステッキです! あたし、魔法少女になりたいんです!」
「ああ、そぉ。」
まあ危険な物じゃない事は確かめた。 落書き帳に使ったって構いやしないだろう。 少年は少女の絵を見た。
棒の先に、デフォルメされた三日月(?)のシンボルが付いて、シンボルと棒の境目に大きなリボンが付いている。
反対側の先には、球体が付いていて、その少し上にはリボンが巻き付いていた。
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