vs ブラウザクラッシャー

8/23
前へ
/52ページ
次へ
 放課後。 少年は少女にノートを見せて、このノートが偽物である事を説明した。  「一応書き込んだが何も起こらなかった。 偽物だろ。」  「やっぱりアナタがやりたかったんじゃないですかぁ。」  「アホ。 確かめただけだ、すぐ消すわ。」  少年は自分の書いた文を消しゴムで擦った。 しかし。  「………消えねえ。」  「? 油か何か垂らしました?」  「持ち主が頬擦りしてたのかもな。」  1つ舌打ちをして、消しゴムを机にこすりつける。  「何はともあれ、これで持ち主には返せませんね。」  嬉しそうに、少女はほざいた。 いつの間にか手にしたシャーペンで、ぐりぐりと絵を描いていく。  「何描いてんだ。」  「魔法のステッキです! あたし、魔法少女になりたいんです!」  「ああ、そぉ。」  まあ危険な物じゃない事は確かめた。 落書き帳に使ったって構いやしないだろう。 少年は少女の絵を見た。  棒の先に、デフォルメされた三日月(?)のシンボルが付いて、シンボルと棒の境目に大きなリボンが付いている。 反対側の先には、球体が付いていて、その少し上にはリボンが巻き付いていた。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加