海からの波

7/25
前へ
/25ページ
次へ
「保住(ほずみ)くん…見てたんでしょ?」 ひとしきり笑った後、ふいに里未が私に尋ねてきた。 里未の顔は半分夕陽に照らされていて、元々細い輪郭をさらに美しく見せている。 視線を里未からグラウンドへ。 サッカー部は今、ちょうどミニゲーム中のようだった。たくさんの人が流れては戻る。波のように。 アイツがボールを蹴って、メンバーに指示を出している所を見つめながら私は「うん」と答えた。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加