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それからしばらくは、黙って二人でグラウンドを見つめていた。
アイツは指示を出しながら走っているから大変そうだ。
時々、片手をあげて仲間に合図している。
その指示を頼りに仲間が動きグラウンドに人という波を作っていって。
船乗りみたい。
私はそう感じた。
船乗りだからきっと波を操れるんだ。
海にある全てのものを。
アイツを見ているとそんな風に自然に思える。
汗まみれになりながらも、一生懸命ボールを追いかけて。
ボールをとったり、とられたりを繰り返して。
そんな中で垣間見えるアイツの表情が妙に大人に見えるのは何故だろう。
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