0人が本棚に入れています
本棚に追加
つ「おはようございます。」
扉のインターホンに話しかけると声が返ってきた。
ゆ「あら、おはよーつっくん。中にあがっていて。」
あまりにも重たそうな扉がゆっくりと開いていった。
つ「お邪魔します。」
ゆ「いらっしゃい。もう少しで早雪の準備が出来ますからね。」
つ「は、はい。」
(それにしても、今まで中の方には入ったことが無かったけど、凄く広いなぁー。)
ゆ「あ、そうだ。つっくんに渡さないといけない物があったんだ。はいこれ。」
そういって、由紀子さんはぱっと見たところ水鉄砲みたいな物を取り出して僕の方に差し出した。まだ、子供だと思われているのかな?
つ「わかりました。もらいま…」
ポスッ。
重ッ!!
つ「え?これ何が入ってるんですか?水鉄砲にしては凄くズッシリしているんですけど。」
ゆ「え、それ?それは水鉄砲に忠実に再現した本物の鉄砲よ。」
つ「!?なんで?というかどうやって?」
ゆ「やっぱり一番近くにいるつっくんが早雪を一番守りやすいじゃない。だから持っていても不思議に思われないペイントにしたのよ。」
つ「ペイントって…というかどこで銃を手に入れたんですか!?」
ゆ「ほら、つっくんも知っているでしょ?中川財閥。」
つ「え?」
確か中川財閥は地球上の全ての国に支店がある恐ろしく大きい会社である。
ゆ「私、その会社の社長やっているのよー。」
つ「マジですかー!!」
ゆ「本当よ。だ、か、ら、もし早雪がケガでもして帰ってきた日には命は無いものと思ってね。」
つ「で、でもなんで今頃になって俺が早雪を迎えに来なくならなければいけなくなったんですか?」
というより、昨日いきなり親父が「中川家宅に行ってお嬢さんを丁寧に、親切に、命にかけて守れ!!」と机の下でブルブル震えながら言っていたのを思い出した。
ゆ「ああ、それはね。急に早雪がアナタと同じ高校に行って、青春を楽しみたいと言い出してね。いきなり昔アナタと遊んでいたのを思い出したのでしょうね。」
最初のコメントを投稿しよう!