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縦に伸びた光のスジから“ゲート”は左右にゆっくりと開く
開け放たれた“ゲート”に周りの空気が流れ込んでいくのがわかる
「すごい! 開いた☆
真、本当すごいやッ~」
雪美は腕をパタパタと動かし
少し興奮気味に飛び跳ねた
「これも さだめ じゃの」
老人は周りに聞こえないようなかすかなな声で呟いた
完全に開ききった“ゲート”を見るとその中は
黒紫色をしていて白いモヤが渦巻いている
「あははっ
なぁ、京介、雪美!
開いた!開いたよ!
これが異世界への入り口?」
真は体の中が熱くなるのを感じた
脈が早くなり身体中の血液がドクドクと全身を巡るのがわかる
「真、なんで開け方をしってたんだ??」
「う~ん、よくわかんないけど
夢の中で聞いた気がしたんだ」
「それよりさッ “ゲート”に入ってみようぜ!」
「いや、待て。
うかつに近づかない方がいい。
それに何も準備もしてないし危険だと思う」
そう言う京介の言葉を聞き終わる前に真は、“ゲート”の中を覗き
そして手を入れた
!!
その瞬間
吸い込まれるように真の体は“ゲート”に飲まれてゆく
「うわぁぁあぁ!!」
「真!」
京介、雪美は真の両腕をつかむ
「バカ!何やってんだ!
絶対に手離すなよ!」
……
………
-夢で見た世界、今の現実とは違う世界、行ってみたい!-
「京介、雪美!悪い」
二カッと笑い真は二人の手をグッと引っ張った
「きゃあぁ~!!」
「うおぉー!!」
三人の体は徐々に“ゲート”に飲まれてゆく
「ちょっ!じいさん!
助け…
これ大丈夫なのか?」
「心配せず、行くのじゃ」
そういいこちらに何かを投げた
京介は老人が投げた物を間一髪キャッチした
「行くのじゃ、こちらの世界には戻れんと思うがのぉ、」
「えっ??」
三人の体は完全に“ゲート”に飲み込まれていった
「頼むぞい」
“ゲート”は完全に閉ざされた
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