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団員「何を言っている!この森は我が国の領地だ!けしてお前のものじゃない!」
私「・・・・・」
団員「間違いない、あいつは異常者だ!団長!早くやつを・・・団長?」
さらに熱くなり奴に抗議する団員の声が遠い
奴は言った「この森は人間の入っていい場所じゃない」つまり奴は人間じゃない
人間じゃないとすると、エルフか?いや、エルフは里から出ない
じゃあドワーフ?いや、奴等もっと小さい
獣人族か?いや、獣人の顔じゃない
じゃあ・・・
私「・・・貴様、まさか魔族か!皆!かm」
素早く剣を抜き、皆に構えるように言おうと奴から一瞬目を逸したその時
風を切る音が耳に届いた瞬間、肩と足に熱と共に激痛が走り、あまりの痛みに膝をつく
私「っ!?ぐあぁぁ・・・・・こ、これは・・・串・・・か?」
鉄製の串のような物が、私の肩と太ももを突き刺さっていた、肩の方は完全に貫通してる
あの距離でこの威力だと!?
「ハズレだタコ助、それも減点クラスのな」
私「っかハ・・・な、なんだと・・・!?」
激しい痛みに耐え奴に向き直る
奴は先程と変わらない様子で私たちを見下ろしていた
違う点といえば、右手に鈍く光る細い串が握られている事くらいだ
団員「な・・・ッ!?き、きさm「お前はさっきから無駄に暑すぎ、なに?発情期なの?」グ、アッ・・ッッッ!?」
ドサッ
私「ボブ!」
私がやられた事に気付き、剣を抜こうとしたボブの肘と肩に、奴が放った串が刺さりボブが倒れる
正面から受けて倒れるほどの威力だと!?
「あ、下手に動かないほうがいいよ、さっきの魔族発言にイラッとしてるから」
たった一言、忠告のように軽く言った一言で訓練を重ねてきた団員の動きを封じる
まるで身体が石になったように動かない
汗が鉛のように重たく感じる
なんなんだこれは・・・!?
「まず第一に、この森は人間の所有物じゃない、自然の恩恵を分けてもらってるだけの分際で我が物顔とかないわ~
そして第二に、俺は魔族じゃない、魔族の特徴はこめかみから生えた角だろうが
んで第三に、俺がぶっ飛ばしたのは密猟者と森を荒らした奴、薬草採りや生きるための狩りは邪魔してない
わかったらさっさと帰れ」
もう言う事はない、とでも言うように{傷有り}は姿を消し、森に再び静寂が戻った
私「{傷有り}・・・奴は・・・」
そこで私の記憶は途切れ、目が覚めたのは病院の一室だった
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