茂吉とふしぎな鏡

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「もうこの鏡はいらねえな。」 おれはこの鏡を捨てようとおもった。 でもふと考えたんだ。 「まてよ、おれのようにどこかが痛くて困ってるやつが他にもいるかもしれねえ。そいつを探してこれを売りつけてやろう。 こんな古くて汚ねえ鏡だ。たいした銭にはならねえと思うが、なあに、そば一杯分くらいにはなるだろうよ。一石二鳥ってやつだ。うしし。うししし。」 おれは用済みになった鏡を手に取り、外へとびだした。
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