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「黒龍も好きだよな…舞が知ったら呆れるんじゃないか?」 窓枠に腕を乗せ其の上に顔を乗せる。視線の先に居たのは龍神兄弟の次男である黒龍。 「うるさい、邪魔しないの」 その黒龍の下では侍女が悩ましげに悶えていた 「折角舞をこっちに呼ぼうと思ったんだけどなー」 「其れを早く言ってよねー。はい、君は今日で御仕舞い。」 「酷い!黒龍様・・・」 不意に黒龍から解放された侍女は、着ていた布を抱え走り去っていった。 いや、去らなければ消されていただろう。 「酷い!黒龍様!だって・・・本気で相手にしてると思ったのか?」 「白虎だって黒龍さんと大差ない癖に」 「まぁな!でも今は舞一筋ですから」 「他の奴には言った?」 「あー・・・朱雀と青龍には言って来た。後はお前の弟二人と玄武だけ」 「黄龍は屋敷にいるだろうし・・・白龍は・・・ま、何時もと同じで舞を見てるんじゃない?」 「だな。とりあえず黄龍んとこ行って来る。じゃな!」 片手を挙げてその場を後にすると、白虎は次なる目標を求めて去っていった。 「舞がこっちにね・・・驚くだろうな」 「黄龍いるか?」 「何だい?何か用?」 お茶の用意をしながら答える黄龍は、普段と変わらず薄い笑みを浮かべていた。 「そろそろ来ると思ったからね。青龍から聞いてるよ」 「そっか、なら話は早いな。どうだ?いいか?」 「勿論大歓迎だよ、是非来て貰いたいね。」 「だよな!!よっし、後は玄武だな・・・」 その時、お茶を一気に飲み干して立ち上がる白虎を見上げる黄龍の瞳が不意に曇った。 「でも、あいつらに見つからないようにしないとね」 「・・・そうだな」 「見つかっても守ればいいけど。」 「まあな、しっかり守ってやるぜ」 そして次の仲間、玄武の許へ向かう 「って事で玄武、呼んでもいいか?」 「構わない。」 「甲羅に閉じ込めんなよ?」 「・・・」 無言かよ!!と思いながら、白虎は仕方無さそうに肩を竦めて見せた。 「で、何と言って連れてくる気だ?」 「そりゃ・・・遊びに来いって・・・」 「そうか・・・まぁ大丈夫だろう」 「ま、そこんとこは何とかなるさ。さて、残るは白龍だな」 「アイツは反対しないだろう・・・」 「だろうな!一応な、一応」 最後の仲間、白龍のもとへ向かった
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