王子様なんていない

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お昼休みは優姫が授業中に考えていたらしい、王子様との理想の結婚生活を聞いている間に過ぎていく。 「それでね、庭園には薔薇をたくさん植えるのよ。赤、ピンク、黄色、青…。」 青い薔薇はまだ存在しないよ、と心の内でツッコミを入れた時に昼休み終了のチャイムは鳴り響いた。 どこかへ行っていたクラスメイト達も教室に足早に戻ってくる。 私は空っぽになったお弁当を素早く片付けて、椅子を元の持ち主へと返しながら席を立った。 「優姫、次は英語だからね。また王子様のこと考えて惚けていないでよ。」 「わかったわ。ありがとう、梓。」 にっこりと微笑む優姫をあとにして、私は自分の席に戻る。 ほどなくして先生が教室に入ってくると、授業が始まった。
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