5人が本棚に入れています
本棚に追加
次の授業は数学Ⅱだった。
授業なんて、20分もすれば集中力が切れてくる。
とくに、放課後一歩手前の五時間目なら尚更。
「じゃあこの問2解いてみて。
真剣に解かないと、あてるわよー。」
先生の声とともに、、ページをめくる音があちこちから聞こえる。
私も真剣に取り組もうとしたけど、問題を読んだだけで考えるのを放棄した。
こんなもの解けるわけがない。
「じゃあ、今日は15日だから…相馬君!」
「せんせー。難しくてわかりませーん!」
指名されたと同時に手を上げながらそう叫ぶ相馬に、クラスが笑いに包まれる。
「仕方ないわねー。じゃあその後ろ、桜井さん!」
「え、まだ解けていませんけど…。」
そう言いながら黒板の前に立った優姫は、私では思いつくことの出来ない長ったらしい数式を書いていく。
先生が口を出さないところを見ると、優姫は正解を導き出しているのだろう。
「はい、さすが桜井さんね。席に戻っていいわよ。」
優姫が書き終わったと同時に、先生が笑顔を見せる。
それと共に、クラスからは感歎の声がもれる。
最初のコメントを投稿しよう!