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「桜井さん。話聞いてる?」
いきなり名前を呼ばれて私は顔をあげる。
ここは音楽室。そして、吹奏楽部の部室でもあるの。
本来ならば今の時間は楽器の練習時間。
でも今日は、学校祭に演奏する曲を決める為のミーティングの時間になったのですって。
そして、今はそのミーティングの真っ最中なのだけれど…。
私ったらまたぼーっとしていたみたいなの。
昼休みに梓に注意されたばかりなのに…。
周囲を見渡せば、音楽室にいる吹奏楽部員全員の視線が私に集まっていて、私は思わず赤面する。
「どうしたの?目を開けて寝ていたの?大事な話だからしっかり聞いて欲しいのだけど。」
部長さんに注意されて、私は小さく「すいません。」と返事をした。
「もう一度話すから、しっかり聞いてね。」
部長さんは手元にある一枚の紙を見ながら話を始める。
「今年の学校祭に演奏する曲ですが、この候補の中から五曲選びたいと思います。
この紙に書いてある曲の中から、五曲選んで提出してください。」
部長さんの話が終わると、側で待機していた三年生の先輩方が紙を配っていく。
配られた紙に書かれてあった候補曲は私の知らない曲ばかり。
でも、私はその中にお気に入りの曲を見つけたの。
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