王子様はいずこに

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お目覚めのキス…は王子様からお姫様にするものだし…うーん。 耳元で「王子様」と囁こうからしら? 「う…。」 私が悩んでいるうちに、王子様が目を覚ました。 その瞳は…綺麗な漆黒。 「あ…。」 王子様と目があう。 私はその瞳に囚われて動くことはできなかった。 優しげで綺麗な瞳。まるで、吸い込まれそうな…。 「姫…。」 今、王子様が姫っておっしゃった? …私のことが…私が姫だということを知っているんだわ! 「はい、なんでしょう?王子様…。」 私は努めておしとやかに聞こえるように言葉を紡ぐ。
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